チョコレートとキス
チョコレートタイム

ビターチョコ



もうすぐ二月


女の子が頑張る季節がやってきた



「はぁー。」


私はため息をつき、窓の外を眺める


最近は地球温暖化のせいで
冬でも多少暖かかったのに


流石に二月ともなればそれなりに寒い



雪女と呼ばれている私は
この時期になるといつも憂鬱になる




「ため息なんてついてどうした?

もしかして太ったのか?月歌(つきか)」




この意地悪な声は・・・。


「五月蝿い!太ってないもん。

馬鹿雪初(ゆうい)!」


冷え切った手を雪初の頬にくっつける




「うわぁっ、冷たっ。

相変わらず冷え性なんだな、お前。」



末端冷え性。

私が雪女と呼ばれる原因だ。



しかし、冷たいと文句を言いつつも

手を退けないのは

きっと雪初の優しさなんだろう



「そういや、もうすぐバレンタインだな。

お前は俺だけにくれるんだろ、月歌。」


冷えた手を温めるように重ねた手と笑顔


その意地悪な笑顔はまるで

苦くて甘いビターチョコレート

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