さがしモノ
2、3、4時間目と過ぎて行き、気づけばもうお昼の時間だった。
ガラガラッ
はい。やって来ました総長さま。
周りの視線を独占しながら、こっちに向かって歩いてくる。
「行くぞ。」
転校生ちゃんの腕を軽く引き、立たせてから出口へ向かう。
振り返った転校生ちゃんと目が合ったから、
「あとでねー。」
って言って、ひらひら手を降った。
それに、少し笑った転校生ちゃんと、心なしかこちらを睨んでいる総長さん。
しかし、そのまま歩いて行き、
バタンッ。
音を立ててドアが閉まった。
ざわめきを取り戻した教室の中で、珍しくリオンがわたしの机まで来た。
「あれまー?お昼時に来るなんてめずらしいねー?」
そう言ってヘラっと笑うと、すこーしだけリオンの頬が引きつった。
「ま。いいじゃん、たまには。
はい。購買行くよー。」
「えぇー。わたしお弁当持って来てるんだけどー。」
「あら。そうなの?じゃ、行くよー」
そう言って、わたしの腕をグイグイ引っ張るリオンさん。
「しょうがないなー」
と、声をもらしてしぶしぶ立ち上がった。