さがしモノ
キーンコーンカーンコーン
「それじゃあ、気をつけて帰るように」
おー。やっと今日の授業終わったー
「ねー!これからケーキ屋行かない?」
「おー、やっと帰れるー」
「なぁなぁ!俺んち来いよ!」
一斉にざわめき出す教室。
ガヤガヤと賑わっている中、わたしは1人出口へと向かった。
リオンは先帰っちゃったし、そーまもなんかいないし。
家帰っても暇だなー
とか思いながら、ダラダラ廊下を歩いていると後ろから声がかかった。
「ま、まいかちゃんっ!」
「んー?なにー?」
振り向くと、ハァハァと息を切らせた転校生ちゃんがそこに立っていた。
「き、今日の放課後とかってあいてる?」
「今ってことー?」
「うん!」
暇っちゃ暇。でもなー。
「街のこととか案内してもらえないかなと思って…」
ま、いっか。お友達だし。
「いいよー。」
「やった!ありがとう!」
そう言って、恥ずかしそうに笑う転校生ちゃんは可愛かったと思う。
「そんじゃ、行こーか」
「うん!」と元気良く返事をした転校生ちゃんの目は、すっごく輝いてた。
そんな目を見ていられなくて、そっと目をそらす。
「楽しみだなぁー」
なんて言って無邪気に笑う転校生ちゃんのことを、やっぱり真正面からは見れなくて、少しだけ俯いた。