スノードームと恋の魔法


ロッジのような丸太でこしらえたお爺さんの家には暖炉があった。


高い天井には採光窓があり、柔らかな冬の日差しが家の中を通り、暖かい。


区切りはなく、どこにいても家の隅々まで見渡せるような作りになっているけれど、


「お前ももうそろそろプライベートな空間が欲しくなる年頃だろう」とお爺さんの計らいで、この夏に家をリフォームした。


ロッジの上の空間にロフトを作ったのだ。


そこが僕だけの空間になった。


夜トイレに起きる時に、長い梯子のような階段を足を踏み外さないように降りるのが怖い位で、新しくできた僕だけのスペースは居心地が良く気に入っていた。


僕は階段を上り、僕の空間にある本棚の中から本を1冊選び、暖炉の前のお爺さんのロッキングチェアに座った。


お爺さんが帰ってくるまで、ここで読書をすることにした。



暖炉の中の薪をチェックしながら、ミルクを温め、ココアを作ると再びロッキングチェアに座り、両手を温めながらマグカップの中のココアを楽しんだ。


窓の外からの視線に気づいたのは、それから暫くしてのことだ。





室内との温度差で、ぼんやりと曇った窓から誰かがこちらを覗いている。


宅配便かな?たまにお爺さん宛てに荷物が届く時があるし。


僕は立ち上がり、曇った窓を着ていたパーカーの袖で拭く。


< 14 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop