スノードームと恋の魔法
「じゃあね。よいお年を~」
大きく手を振り、何回かこちらを振り向きながら、彼女は立派なヒゲを蓄えた熊のような彼女のお爺さんと帰って行った。
ミライちゃん。
それがきっと彼女の名前・・・ミライ・・・僕は声にならない声で呟いてみた。
結局、その年の夏には僕はミライちゃんに会うことはなかった。
ずっと、家に引きこもって、外出しなかったから当然かもしれないけれど、僕は1つ歳を重ね、また長い冬がやって来た。
ミライちゃんとはその冬に再会を果たすことになる。
その日は、久しぶりに見る青空が広がっていた。
昨日、コンコンと降り積もった雪は辺りを白銀の世界にし、すでに高い位置にある太陽の日差しが、窓から見える木々の枝先に積もった雪をぽたりぽたりと溶かしていた。
僕は窓の桟に手をついて、暖かい部屋の中から外の様子を眺めていた。
「買い物に行ってくるぞ」
お爺さんはそう言って、玄関に向かい、長靴を履いていた。
僕はお爺さんの背中を見送ると、用心のために扉の鍵をしめた。