虹の架かる橋
「ケイがいるからって言ったよ。」
と答えたマサの声が弱々しく聞こえた気がした。


もっと自信のある言い方をしてほしかった。


だけど、そんな事は言えない…。


その全てがマサの意思だから。


押し付ける事なんて出来ない…。


「私、ミーが日本をたつ前に書いた手紙がポストの中に入ってたんだ…。その手紙にミーの気持ちが書いてあったの。」


「うん…。」


「その手紙を読んで今日まで凄い不安だったの」


「…。」


「マサ?ねぇ、私はマサを信じていいよね?」


私は、マサにすがるような思いで、マサにそう尋ねた。


マサはその言葉をどう捉えたのかな…。


遠距離恋愛って逢えない分、言葉の言い方が凄く大事だし、ちゃんと気持ちを口に出して言わなくちゃ届かない。


マサはいつも、電話で気持ちを伝えてくれない。


それは、遠距離を始めた時の「頑張らない」と約束したからだと私は思っている。


マサが私を心配してくれてるから、逢いたくなる言葉は言わないんだ、と私は理解していた。



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