虹の架かる橋
この手紙をマサの部屋のドアに挟んで、浜松を出た。


新幹線は、浜松に居た時間を思い出していた。


何度も涙ぐんだけど、新幹線で1人で泣くのは恥ずかしいので、窓の外を見てぐっとこらえた。


そして何も考えずに、いつしか自分の家まで着いていた。


「ただいま」
と声に出して言ってみたけど、勿論、誰も居ない。


当たり前だ。


1人暮らしをしてるんだもん。


浜松のように誰かが居るわけじゃないんだ…。


そう思うと寂しさが急に襲ってきた。


そして、大声を出して泣いた。




そして、いつしか泣きつかれて眠ってしまった…。




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