闇ノ雫
そんな保障はどこにもない。
だが、女の子を落ち着かせるために……。
それから暫くすると、遠くから父上達の声が聞こえてきた。
「……あと一人、娘が残っておりますが…」
ドクンと、心臓が跳ね上がる。
まさかこの子を探して、殺すつもりじゃ……。
しかし。
「いいだろう、娘の一人くらい」
父上のその声で、安堵で肩の力が抜けた。
だけど油断は出来ないから、女の子をさらに強く抱きしめる。
「あの娘にはもう親は誰もいない。俺達が殺さなくても、いずれ飢え死する」