闇ノ雫
自らの目を疑った。
……何故なら、ずっとずっと待ち望んでいた、あの顔があったからだ。
思わず抱きしめそうになる。
思わず、涙が出そうになる。
だが、そんな衝動を、唇を噛みしめてぐっと堪える。
そうだ、今は任務中なのだから。
今は、昔のことなど思い出してはいけない。
だが……やっと、会えた。
絶対に会えるんだと、信じ続けて良かった。
待ち侘びた人は、生きて、今こうして俺の視界に映っている。
芳乃──。