変わり者同盟

*和真side*

―和真side―




時折ふと、あの時のことを思い出す。


桜が儚く散っていた、あの時のことを――・・・。







『怖くないぞー。』


暖かな春の日。

俺はゴミ捨て場を四足歩行で這うように駆けずり回っていた。

顔には、けっこうリアルな猫のお面を装備。


――そう。

あの時俺は猫になろうとしていたのだ。


理由はいたって単純。

友達作りのためだ。



『にゃ゛ーーーーーー!!!!!!』


なんでそんなに叫び声をあげるんだ、黒猫!

怖くないって言ってるだろ!


俺にとって友達とは全生物のことであり、人間だけではない。

だから高校に入ったんだしとりあえず友達を作らなくてはと、必死こいていたんだけど・・・。



猫の警戒心は未だに解けない。


小学生のときは普通に接していれば難なく友達になれたんだが・・・。

中学生のときはそう上手くもいかなかった気がする。


けーこさん(鶏♀)とはたくさん喧嘩した。

けど、最終的には友達になれたと思う。


・・・・・・うー・・・ん・・・。



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