変わり者同盟
やっぱり普通に接した方がいいのか?

考え始めた時だった。


『・・・・・・え・・・と・・・・・・・』

困惑したような声が聞こえた。


声がした方を振り向けば、顎より少し下ぐらいの黒髪の女子生徒が立っていた。


明らかに、不審な目で見ている。
・・・俺を。

手には文庫本を持っていた。


昼休みにここに人が来るなんて・・・入学してから、一度もない。

といっても、まだ入学してから一ヶ月くらいしか経ってないけど。


『あの、なんで・・・猫のお面なんて被ってるんですか?』

『仲良くなるため。』

『え?』

『そいつ。』


俺に鋭い視線を向けている黒猫を指差せば、女子生徒は頷いた。


『あ、そういうことでしたか・・・。
・・・・・・お邪魔してすみませんでした。じゃあ・・・。』


彼女はそう言って立ち去ろうとした。

だが、それを許さなかったのは以外にも黒猫だった。


すりすりと、人懐っこそうにその女子生徒の足に頭をこすり付けている。


『・・・・・・え・・・?』

女子生徒は目を見開いた。


当然だろう。

だってソイツはさっきまで俺を威嚇していたんだから。


って、じゃあなんだよ!その反応の差!!!

ソイツ、もしかしてオスで変態だったりするのか!?


彼女もそれを思ったらしく、『ちょっとごめんね』と言って性別確認を始めた。


< 136 / 140 >

この作品をシェア

pagetop