変わり者同盟
「久流君が来てくれたから、もう、大丈夫。」

「でも、それじゃ俺が消化不良なんだけど?」


眉をひそめる久流君に、私は笑みを消して、頷いた。

「うん、分かってる。だから、ちゃんとケリがついたら、報告させて?」


強くなりたいんだ。
久流君みたいに、強く。

だから、頼らないで、頑張ってみたいの。


自分勝手だけど、でも・・・1人で、決着をつけたい。

それに、このことを言うには、すももちゃんの気持ちを話さなくちゃいけないかもしれない。

そんなことは、絶対にしたくない。


勝手に、人の大切な思いを、告げたくなんてない。



「お願いします。」

ぺこりと頭を下げれば、久流君の大きな手が、頭にのった。

「・・・分かった。いいよ、それで。
その代わり、応援させろよ。それくらいは、いいだろ?」


頭を上げれば、ふわりと優しく微笑む久流君がいて。

私は、コクンと頷いた。


「ありがとう。
じゃあ、私も久流君のこと応援するね。お母さんと話すの、頑張って。」


じっと久流君を見上げて言えば、久流君は頷いてくれた。

「あぁ、サンキュ、比佐乃。」



―――大丈夫。

きっときっと、私は大丈夫だ。


久流君が応援してくれるんだもん。

大丈夫に、決まってる。


勇気を出して、ちゃんと、話せるはず。



そう、決意を固めた時。



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