変わり者同盟
気のせい、かな?

首を傾げていれば、久流君はまたもや私を抱きしめた。


「へぁ!?く、くくく、久流君っ!?」

「あーもー!つか、比佐乃絶対俺の気持ち気付いてねーな!」

「久流君の気持ち・・・?」

「気にすんな、独り言。けど、今、俺の顔見るなよ、絶対。」

「へ。なんでっ・・・」

「なんでも。分かったか?」

「は、はい・・・。」


久流君がかなり怖い声で言ったので、私は頷いた。

久流君の嫌がることは、したくないもん。


というか、私も久流君に顔を見せられない。

だって、泣いてるから目を赤く腫れてるだろうし・・・久流君に抱きしめられて熱いし・・・。

元々平凡な顔だから、きっと、不細工になってるはず・・・。
端整な顔の久流君に見せられるわけがない。



「・・・・・・それで、比佐乃。
なんで泣いてたのか、まだ、聞いてないんだけど?」


久流君の言葉に、私はさっきのすももちゃんたちを思い出す。

ズキズキと、胸が痛み出す。
辛くて、苦しくて、悲しくて、切なくて・・・

――でも。

もう、寂しくはなかった。


伝わる温もりが、1人なんかじゃないって言ってくれてるみたいで。

辛さも、苦しさも、悲しさも、切なさも・・・薄れている、気がする。

単純だとは、思うけど。
でも、久流君が傍にいれば、もう大丈夫って、何の根拠もなくそう思えた。


「・・・・・・久流君。」

「ん?」

「もう、大丈夫だよ。」


私は、そっと久流君の腕を離し、笑いかけた。




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