恋されてヴァンパイア
「何!?」
「お嬢様、窓の外をご覧ください!街の入り口付近に、人だかりが…!!恐らく、外の住人が迷い込んだものかと!」
確かに、ルビーの言うとおり、人だかりが薄らぼんやり見える。
でも待って……もし仮に、ルビーが言うように外の、日暮町の住人がこの夜の暗黒街に迷い込んだのだとしたら…。
「…マズイわ。エレン!…エレン!!」
「はい、只今!」
エレンは、私が呼ぶと5秒と掛からずに私の前に来た。
さすが、元自衛隊…といったところだろうか。
「エレン!街の入り口付近に、外の住人が迷い込んだ可能性があるの。今すぐ行くわよ!!ルビーはここで待ってて。人間のあなたが、夜の暗黒街に出たら、どうなるかわかったもんじゃないから」
「解りました。どうか、お気をつけて。お嬢様、エレン様」
ルビーが、私とエレンに深々と頭を下げる。
私とエレンはそれを確認して、屋敷から飛び出した。