This is us -2




「蓮ちゃん」



週末になって、佐々木が見舞いに来た。


「ちょっと!結城!あんたねぇ…」

「ゆ、優花ちゃん落ち着いて!」


今日は松川も一緒らしい。すごい剣幕で部屋に入ってきた松川を佐々木が慌てた様子で制している。

「忘れたなんてほざいてるんじゃないっつーの!さとりがどれだけ傷付いたと思ってんのよ?!」

「……松川」

松川に口を塞がれた佐々木が苦しそうに俺を見た。

「何時間かかってもいい。教えてくれないか?」

そう俺が言うと、意外にも松川は驚いた顔をして。

「思い出すまで喋るよ。てか、思い出さなかったら脳ミソほじくり返すから!」

「んんんー」

佐々木はどうやら限界らしい。
懐かしいと思った。佐々木と松川はいつもそうやって仲良くじゃれあってたな。

「あー…マジ苦しかった。もう、優花ちゃん乱暴過ぎる」

「猿がしっかりしてないのが悪いんでしょ?」

完全に尻に敷かれている。


失ったものを取り戻したい。

誰かを好きになったりしないと思っていた俺は、どんな風に彼女を好きになったのか。


あんな顔をして笑う自分は、どんな気持ちだったのか。


知りたいことが山ほどあった。



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