This is us -2
「お疲れ」
「お疲れ様です」
グラスをぶつけて、乾杯する。
平然を装っていたけれど、本当はめちゃくちゃ嬉しくて。
「ほら、好きなの頼みなよ」
「はい、ありがとうございます」
メニューに視線を落とす小田切を見つめて、頬が緩むのを堪えた。
「プライベートで何かあったの?」
「まぁ…ちょっと…」
運ばれてきた料理を適当につまむ。カフェのようにお洒落な内装で、間接照明に照らされた彼女の瞳は、訳ありげにそらされた。
「門倉さんは…クラス会があったら行きますか?」
「クラス会?」
「高校のクラス会の案内が来たんですけど…も、元彼も来るみたいで」
元彼。
小田切は元彼が忘れられていないのか…
「今、会ったら…また振り出しに戻っちゃいそうで。てか、会うのも辛いっていうか…」
「そっか…まだ、その元彼が好きなんだ?」
あの、色褪せたイルカのストラップを思い出す。
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