This is us -2



「す、好きかって聞かれたら、まだ好きです。でも、前に進まなきゃって思ってて」

「クラス会、行ってみれば?」


そう言うと、小田切は驚いた顔で俺を見た。


「前に進みたいんだろ?だったら、クラス会に行って気持ちぶつければいいんじゃない?そこで、どうなるかは分からないけど…今よりはスッキリして次に進めるんじゃないかな」


個人的には、元彼には会って欲しくはないけれど。きっと彼女の中で消化しきれない想いが、前に進みたい気持ちを邪魔してしまう。

吹っ切れないまま、他の誰かを好きになれるものでもない。

「気持ちを…ぶつける…」

独り言のように、小田切は呟いた。


「思ってること、相手に伝えてぶつかってこいよ。後は時間が解決してくれるさ」


君の、心から笑った顔が見たい。


「門倉さん!すごい!私、逃げてばかりでした。ちゃんと伝えて終わらせないと、次に行けないですよね!」


そう言う彼女は、少しだけ表情が明るくなって。


俺も少しだけ安心して、微笑み返した。


支えてあげられたら、いいのに。


幸せにしてあげられたら、いいのに。


まだ彼女が気持ちの整理がつくまでは、そっと見守ることにしよう。



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