恋の扉を開けて
「君は秘書の経験があるのか?」

「ありません。」

「まるで商社かどこかの秘書のようだ。」

「秘書課程は修得しました。」

「英語だろ?」

「仏語とハングルも学びました。」

「なぜ秘書にならなかった?」

「ボスになる人を選べないからです。」

「最近の秘書はわがままなんだな。」

平日私は会社から帰るとメイド・カフェ「ダブル・シルク」の長谷川専務とPCで対話した。

「ではまた週末頼むよ。」

「承知しました。お疲れさまです。」

「おやすみ。」

「おやすみなさい。」

専務はモニターを切った。

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