恋の扉を開けて
μ.元パートナーの出現
メイド・カフェ「ダブル・シルク」は繁盛していた。

私は今夜もルリルとなり、ご主人さまをかなりリアルな夢の世界へ連れ去って、望み通りのメイドを相手に望み通りのひとときを満喫してもらうことに全身全霊を注いだ。

私はカウンターで接客中だったが、閉店間際に店をのぞく男性と目が合った。

エミィが彼を迎え入れた。

「ご指名はございますか?」

「ルリルを。」

「ただ今接客中ですが伝えてまいりますのでお待ちいただけますか?」

「オーケー。」

あと5分で閉店時間になる。

私はイヤな予感がした。


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