恋の扉を開けて
「なぜ欧州に?」

「今見せるよ。」

秀作はタブレットを手元に出して、俺に画像を見るよう手渡した。

俺は写真をスクロールしながら思った。

2号店の壁にディスプレイしたら、完璧なカフェになると。

「使える?」

「参った。」

「だろ!?」

二人で笑った。

「データを送るからあとでアドレスを教えてくれよ。」

「ありがとう。俺にとって貴重なものになる。」

「カラーはセピアにも編集できるよ。」

「それもいいね。」

「ところで今の店はいつまでやるんだ?」

「閉店は考えてないよ。」

「そうか。」

「こっちにはいつまでいる?」

「特に予定はない。」

「仕事は?」

「撮影のバイト。」

「写真じゃないのか?」

「ブライダルは国が違っても同じさ。」

「なるほど。」


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