恋の扉を開けて
「何をすればいいんですか?」

「簡単だよ。被写体になってくれればいいんだ。」

「千葉さんのカメラですか?」

「そうだよ。」

「千葉さんが私を撮るんですか?」

「撮るだけだ。」

「それだけでいいんですか?」

「そう。」

「それが専務にとって役に立つんですか?」

「ばっちりさ。」

「よく飲み込めませんけど。」

「いつなら時間取れる?」

「平日に有給休暇を取ります。」

「メールもらえる?」

「はい。」

ルリルとアドレスを交換した。

僕の頭の中にはすでに構図が出来上がりつつあった。

雅樹のために必ず完璧なものにしてみせると心の中で誓った。

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