約束は森の中~導かれて~


 背ほどまで伸びた銀色の髪と

 柘榴のような紅い瞳。

 少し冷たさを感じさせるほどの
 整った顔立ち。

 まるで宗教画から抜け出したかのような
 清冽な美しさです。


 聖人のような顔をした青年は、

 口の端をちょっとだけあげて、

 悪巧みでも考えたかような顔になりました。



 でも、それは一瞬のこと。

 いつもの顔に戻ります。


 イブは青年の感情の機微など気づきもしません。


 今や興味は『癒しの聖乙女』だけです。





「おいしいと思いますよ」

 
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