約束は森の中~導かれて~
 青年は何食わぬ顔で言いました。

 おいしいと聞いては、
 居ても立ってもいられません。

「おいしい? 甘いの? いちご? ケーキ?」

 さらに乗り出すように、
 矢継ぎ早に質問するイブを、
 微笑ましいような表情で、目を細めるように、
 じっくりと見つめてから、


「きっと、甘いでしょうねえ」

 と、

 青年はその味を想像するように言いました。



(甘いんだあ!)



 イブはますます興味がわいてきます。



「食べたーい。食べさせて」


 甘いと聞けば、待ちきれません。


 青年の血も

 とても甘かったのですが、




 それ以上なのでしょうか?

 
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