約束は森の中~導かれて~
 知りませんでした。

 男の人しか食べられない食べ物があるなんて。


 イブはがっかりです。
 大きく肩を落とします。


 おいしそうだっただけに、
 落胆はひとしおです。


 本気で食べ物だと勘違いしている
 イブの落胆ぶりが、

 ちょっとおかしくなりました。



「それじゃあ、王子様はどうでしょう?」


 青年は口の端をちょっとあげて、

 紅い瞳に悪戯っぽさをのぞかせて




 言いました。
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