約束は森の中~導かれて~
 思い出そうとしても、
 そこから先が、
 どうしてもわからないのです。

 霧がかかったように、
 曖昧で、
 記憶の糸をつかもうにも、
 その糸の先さえわかりません。




(何かがあったような気がするのに)

 何も思い出せません。

 もどかしいような気持ちを抱えて、
 イブは外に出ました。

 樫の木さんが知っているかもしれません。


 ドアを開けると、
 太陽が雲の合間から顔を出しています。

 朝はどんよりと曇っていて、
 また雪が降りそうな空模様だったのです。

 陽射しに照りつけられた雪が、
 少しずつ融け出しています。




「雪が・・・遊びたかったのに」

 
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