続・新撰組と妖狐ちゃん!
が。
「…。」
…何か、見たくないというか、
見てはいけない幻覚が見えた気がしたのだが。
襖を開けたすぐ左側に、
鬼の副長さんが、腕を組んで
お怒りになっているような幻覚が。
…いや、まぁ、幻覚だからな。
疲れてるんだよ、きっと。
あたしは、頭をブンブンと横に振って、
「…さて、部屋に戻ろう。」
そのまま右へと身体を向け、
進もうとしたが、
「…どういう事か説明してもらおうか」
肩をむんずと掴まれた。
「…。」
いやいやいやいや、
幻覚が実体化するとかあり得ないでしょ。
まぁ、妖怪なら出来るけどさ。
あたしは恐る恐る後ろを振り返った。
「…。」
…あ、コイツ、人間じゃなかった。
鬼だった。←
「あー…えーと…
さよならぁーーぁああ!!痛ぁあ!!」
「あ"?何、逃げようとしてんだテメェ」
後ろの人物を確認した瞬間、
一目散に逃げようとしたが、
掴まれた肩をそのままドンッと
壁に押し付けられた。
あぁ…人の嫌がる事をしたら、
自分に返ってくるって本当なのね…←
あたし、今、物凄く
壁に張り付いてるわ…←
あたしは目の前の鬼の形相をした土方に恐る恐る聞いた。
「…何処から何処まで聞いてた?」
「テメェが、総司の部屋に入ってから
出てきたところまでだ。」
それ、最初から最後まで
じゃないですかーーーー!!!!!
…そうだよ、血の匂いのお陰で
鼻もきかなかったし、
何しろ、沖田が大人しくしないもんだから、外に注意を向ける事なんて出来なかった←
土方が外にいるなんて
思ってもみなかった←
「じゃ、じゃあ、
もう聞かなくてもいいんじゃ、」
「あ"?まだ聞かなきゃならねぇ事が
たくさんあんだよ。」
ズイッと顔を近づけられ、
さらには言葉まで遮られた←
そうとうお怒りのようである。←
…つーか、そもそも
何に怒ってんの??
沖田の事を言わなかった事??
あたしが首をかしげていると、
土方がグイッと腕を引っ張った。
「ちょ!土方!!痛いんですけど!?」
「うるせぇ、話は俺の部屋で聞く。」
ええええええええーーー…
あたしは、そのままズルズルと
土方の部屋まで連れていかれた←