続・新撰組と妖狐ちゃん!

夏の終わりにやってくるのは…



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御所で騒ぎがあってから一週間。


あたし達はあの後、
長州の残党を追いかけたり、
長州の亡骸を片付けたり、
いろいろ雑用をやらされてから
屯所へ戻った。


結果は、
幕府軍勝利って事でいいのか?


折角勝ったのに、
雑用やらされちゃ後味悪いよね←


「いいんじゃない?
日向大活躍だったじゃん。
…囮で。←」


「いや、囮じゃないんだけど。


…つーか、何でテメェがあたしの部屋にいるんだよ。」


お風呂から上がった後、
部屋に戻ると当たり前のように沖田が座っていた。←


夜なのに明かりもつけないで
人の部屋にいるとか怖。←


あたしが顔を引きつらせていると、
沖田が人差し指を立て、


「もう夏は終わりと言っても
まだまだ夜は寝苦しいでしょ?」


ニコッと微笑み、
いきなりそんな話をしだした。


「確かにな。そしてテメェが此処に居る事でさらに寝苦しくなるわ。」


あたしは部屋に入って、
濡れた髪を拭きながら畳に座り、
つーか何の用だよ、と睨んだ。


すると、沖田はあたしに黒い笑みを浮かべた顔をズイッと近づけて、
得意げに一言。









「怪談大会やろーよ←」










「…何言ってんのアンタ。」


あたしは白い目で沖田を見た。


「怪談も何も、アンタの目の前に妖怪いるんですけど。」


普通、これ自体が怪談じゃない?←


すると、
沖田はえー。と文句を言った。


「涼しくならないといけないんだから、
日向みたいに怖くなかったら意味ないじゃん。日向も涼しくなりたいでしょ?」


「あの、沖田サン、
あたしを湯冷めさせる気ですか。」


あたしの格好を見ろや、
まだ風呂上がりたてのほっかほかだぞ。
風邪ひくじゃないか。


あたしが顔を引きつらせていると、


「日向はともかく、僕は寝れないんですー。僕の体調管理、日向がしてくれるんでしょ?」


それとも添い寝でもしてくれる?
と、沖田が黒い笑みを浮かべた←


何だこの自己中心的野郎。
あたしはともかくってオイ。

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