フラグ
4st.flag~第四のフラグ


俺は、言い知れぬ不安感を覚えた。



誰も同じクラスにならないからと言って、みんなの仲がバラバラになるなんて事は考えられない、特にこのメンバーでは考えられなかった。



だが何故かやっぱり不安だった。



知っている生徒は何人かいるが、自分からは声をかけれなかった。



声をかけられなかったと言うより、かける必要がなかったと言うへぎか、孤独感があれば声をかけるだろう、でも今は仲間に充実している。



始業式は、色々長かったが今日は昼までだから学校にいる時間は短かった。



始業式が終わると佐知子が教室に来た。


「隆ちゃん新しいクラスどう?」


「ん?特別どうって事はないな」


「そうなん?ウチのクラスの担任、数学の鈴木やねん!」


「うわ!あの女子に無駄に触るおっさんやろ?」


「そうそう!ウチもそのうち触られるぅって考えたら気持ち悪いわ」


「最悪やな」


「やろ?とりあえず、田中さんのところ行こ」


「そやな行こか」



帰る準備をして廊下に出ると、廊下は生徒でごった返していたが4組に行って健太に「健太9組行こけ!」と声をかけて7組に行って「花9組行くぞ!」と花にも声をかけて9組の教室に入った。



まだ田中は自分の席に座って帰る準備をしているところだったから「オス!田中!」と声をかけた。


田中は「あっ川上君!明神さん!来てくれたんや!」


佐知子「田中さんって独特なオーラをだしてるね」


田中「んー、良く怒ってるって言われるねん」


俺「いつも怒ってるもんな?あはは」


田中「怒ってないって!ウフフ」


佐知子「いつもは、そんな感じせぇへんのにね」


花「おっ?みんないるやん、どっか行くんか?」



健太と花がやって来た。


健太「おお!ええなそれ!」


田中「行くってどこ行くん?」


健太「商店街とか行こうや」


俺「あっ!ええなそれ」


佐知子「ご飯どうすんのよ?ちゅうか、田中さんは家と反対方向やん」


花「そういえば、そやな」


健太「ほな、家帰ってメシ食って商店街に集合ぉー!」


田中「時間は?」


佐知子「急がすのも悪いし、ご飯食べたら適当に商店街集合でいいんちゃう?」


俺「そやな、ほな一旦帰ろか」



みんな、とりあえず帰って昼食を食べることにした。



学校の校門を出て帰る方向が反対の田中に、んじゃまた後でって言って別れた。



この頃田中は、初めて会ったときよりも大分明るくなったように思った。



家に帰ると、既に舞は帰って来ていたので佐知子と舞でご飯をさっそく作ってくれた。



昼食を3人で食べてるときに「商店街行く」って言ったら当然のように「舞も行く」って言ったので一緒に行く事になった。


「ご飯食べたらウチ着替えと支度しに一回家に帰るから隆ちゃん迎えに来て」


「おぅ、ほんなら着替えたら佐知子の家に行くわな」


「うん、後片付けよろしくぅー!」


「舞とお兄ちゃんで、ちゃんとやっとくから」



ご飯を食べ終わって、佐知子はすぐに帰って行った。



俺が制服から私服に着替えてるあいだに、舞が昼食の後片付けをしていてくれた。


「舞、後片付けありがとうな」


「うんいいよ、それより早くさっちゃん迎えに行ってあげよう」


「おぅそやな行こか」



それからすぐに佐知子の家に行った。



家の呼び鈴を鳴らしたら佐知子の母親が出て来た。


「あら隆ちゃん!あぁ!舞ちゃんも!久しぶりやねぇ!たまにはうちにも遊びにおいでよ」


「はい、また今度遊びに行きます。んで佐知子迎えに来たんですけど」


「あぁ佐知子ね」


家の中に向かって佐知子の母親が「佐知子ー!隆ちゃん迎えに来たで!早くしなさい!」


こちらに向き直り「せっかく迎えに来てくれたのに、ごめんねぇ隆ちゃん」



「いいですよ」と言おうとしたら「お母さん邪魔邪魔!ほらどいて!」


「何よあんたはほんまに!隆ちゃんまた来てね」


「はいはい!いらん事言わんでいいから!隆ちゃん行こ!」



と、けたたましく佐知子が母親を押し退けて玄関を飛び出てきた。


「じゃあ気をつけてね!」


「はいはい!」



3人で歩き出して佐知子が「ウチのお母さん相変わらずやろ?」


「相変わらず元気やなぁ佐知子が誰に似たか、よう分かるわ」


「えぇ!?ウチがお母さんに似てるって言いたいん!?」


舞「さっちゃんと、さっちゃんのお母さん似てるやん。嫌なん?」


佐知子「ウチ、あんなにうるさい?」


俺「よく喋るほうではあるな」


佐知子「えぇー!?ほんまに?えぇー!?」


舞「でも舞は、さっちゃんと喋るの好きやで」


佐知子「それは嬉しいけど、お母さんに似てるってのは嫌やなぁ」


俺「何でそんなに嫌なん?めっちゃええお母さんやと思うけどな」


佐知子「だって、お母さんガサツやもん」

俺「さ・佐知子・・お前・・・」


佐知子「お前?その先なんなん?もしかしてウチもガサツなん?」


舞「ガサツって何?」


佐知子「ガサツってのは、落ち着きがないって意味かな?」


俺「ガサツまでは言わないけど、天真爛漫?かな?」


佐知子「天真爛漫くらいなら可愛くていいやん」


俺「ほな、そんな感じにしとこうか?あははっ」


佐知子「なんやねんそれ!?あはは」


舞「お兄ちゃん、さっちゃん可愛いやんね?」


俺「そうやな、そういう事にしとこう」


佐知子「ちょっと!」


俺「あははっ、そんなことよりほら着いたぞ」


舞「お兄ちゃんどこ行くの?」


俺「とりあえず駄菓子屋さんやな」



ここは近所の商店街、丸い大きい広場がある。



その丸い大きい広場の真ん中に大きい街路樹みたいな木が植えてあって、その回りにベンチが丸く囲むようにある。



さらにその広場全体をアーケードと商店街の店舗が丸く囲むように建っている。



とりあえず、街路樹の回りのベンチに行ったら健太は到着して待っていた。



健太「おっ!来たな」


佐知子「中嶋ぁお待たせ!」


舞「健ちゃんお待たせ!」


俺「待ったか?」


健太「おぅ待ちくたびれたぞ!」



健太は、どれだけ暇なんだろうか?


舞「あとは花ちゃんと田中さんだけ?



しばらくすると、花が来てすぐに田中姉妹も来た。


俺「とりあえずどうする?」


健太「とりあえず駄菓子屋やろ?」


田中「駄菓子屋やって茜、良かったね?」


茜「やった!お菓子お菓子!早く行こ!」



茜ちゃんは、凄く喜んでいた。



俺達は駄菓子屋に行って駄菓子を買い漁った。



今と違って100円あれば結構買える。


そして、さっきの街路樹のベンチに座ってみんなで話しながら駄菓子をつまんだ。


俺は、健太と花と駄菓子を食べて喋ってたが、佐知子は舞と田中姉妹と楽しそうに駄菓子を食べて喋ってた。


この時は、男子と女子に完全に別れていた。


それからは、10円で出来るゲームに行ったり、佐知子達は女の子が好きそうな文房具店に行ったりと商店街の中で別行動になった。


やっぱりこういう所では、男子と女子は遊ぶ好みが分かれる。


ただ俺にしてみれば、舞には女の子らしい事もして欲しかったし、田中も女子の友達が少なそうだから女子の中で楽しそうにしているのを見て、いい傾向だと思った。


そうこうしているうちに、いい時間になったので帰ることにした。


花と健太とはここで別れて、佐知子と田中姉妹とは帰る方向が一緒だったので一緒に帰る。


帰る道中に話していると、ある変化に気付いた。


舞と佐知子が田中を「美幸ちゃん」と呼んでいる。


田中の方も佐知子を「佐知子ちゃん」と呼んでいた。


今日、商店街に行っての一番の収穫だと思った。


俺の家に着いて、田中姉妹と別れて佐知子が例によって晩御飯を作って帰って行った。


明日から通常授業と言う事もあり、風呂に入って寝る事にした。



次の日の昼休み弁当を持って屋上に行くと、佐知子と田中が一緒に屋上で食べていた。

俺「おっ!佐知子も屋上デビューか?」

佐知子「あっ!隆ちゃん来たよぉー美幸ちゃん」

田中「あっ川上君!こっちこっち」


俺は、佐知子の隣に座って弁当を食べる事にした。


この日から昼休みは屋上で3人で弁当を食べるようになった、ただ田中は相変わらずパンだった。


昼休みは毎日楽しかった。


日が経って、この事を健太と花にも言うと次の日から健太と花も屋上に来るようになった。


昼休みが唯一の楽しみ、そんな日が続いた。


そうこうしているうちに夏休み前になった頃、夏休みどうする?何して遊ぶ?って話しになった。


健太「そら、とりあえずプールやろ!」

佐知子「プールいいなぁ!プール決定!あとバーベキューと花火!」

花「バーベキューは、どこでするん」

佐知子「隆ちゃんの家の庭でしよう。バーベキューのセットはウチの親が持ってるしウチの親も出動ーあはは」

俺「プール、バーベキューと来たら花火やな」

健太「ええなそれ!普通の花火もええけど花火大会も行こうや!」

田中「夏休みは忙しくなるねぇウフフ」

佐知子「祭り!祭りもあるやん!祭り行こう」

俺「イベントは多い方がええけど、夏休みの宿題終わるか?」

田中「みんなで一気にやったらすぐ終わるんやない?」

健太「それは名案やな!誰か答え教えてくれ!」

佐知子「みんな、中嶋には答えを教えないように!あはは」

健太「早く終わる為に、みんな手に手を取り合って頑張ろうや!」

花「お前、楽したいだけやろ?」

俺「健太も、ちょっとくらい自分で頑張れよ」

健太「美幸さん!俺には君の助けが必要なんだ!他の奴らはみんな俺を見捨てるんだ!君だけが頼りなんだよ!」

田中「どうしようかなぁー?ウフフ」

佐知子「中嶋、諦めろ!あはは」



待ちに待った夏休みがやって来た。


夏本番という感じの日、プールに行く為に女子の水着を買いに俺は付き合わされた。


メンバーは、舞と佐知子と田中姉妹だ。


場所は隣町の百貨店と併設されているショッピング街だ。


俺は、さっさと海パンを買ったがやっぱり女子の水着選びに一緒に来たのは後悔した。


長い、とにかく長い。


あれだこれだ、あれも可愛いこれも可愛いだのなんだのと、とにかく決まらない。


しかも目のやり場に困るので、ショッピング街の中にあるハンバーガー店に行って待ってるからと言って逃げて来た。


小一時間経って、佐知子達がハンバーガー店にやって来て「ごめんねぇ」とか「やっと決まった」「お待たせ!」とか言っていた。

俺「やっと決まったか?」

佐知子「決まった決まった、隆ちゃん!美幸ちゃん大胆なの買ったんやで!」

田中「ちょっと佐知子ちゃん!川上君そんなんちゃうよ!ほんまに普通のやつやから」

俺「プールで拝見させて頂きます、あははっ」

舞「お兄ちゃん、舞はヒラヒラの付いた可愛いのにした!」

俺「舞、楽しみやな」

舞「うん!楽しみや!」

俺「茜ちゃんのは?」

佐知子「ある意味、茜ちゃんのが一番セクシーかも!あはは」


その後、ハンバーガー店で昼を食べてその日は帰った。


プールは、田中の家にいつも新聞配達に来てる人がタダ券をくれた同市にある大きいプールで、海みたいに波があるプールとウォータースライダーと流れるプールがある所だ。


プール当日、佐知子は俺の家で合流して後のメンバーは駅前で集合した。


みんなで電車に乗ってプールに着いて、男子と女子に別れて更衣室に行った。


更衣室で着替えてる時に健太が「明神と田中はどっちの方がおっぱいデカイと思う?」と言って来た。

俺「お前、アホやろ?」


と言ったが、やっぱり3人は男だった。

健太「どっちがデカイか賭けないへんか?」
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