はるこの遅咲☆妄想日記
「あっ・・・まだ寝るんだから~」

私は、それがアイツだってわかると、窓を開けずに無視し続けた。

「コンコン・・・コンコン・・・」アイツはまだ止めない。

「もう・・・うるさい!!」私はカーテン越しにそっと見ると

窓越しのアイツの笑顔はやけに眩しかった。

「今日は晴れかぁ・・・」春の日射しの中でキラキラしているアイツの横顔は

「可愛いね。あいかわらず。」なんだか私をホッとさせた。

ふと私は我に返ったのか、スッと起き上がると

1週間ぶりに私はカーテン開ける気になった。

キッカケは案外簡単だったことに気が付かされる。

「もうすぐ起きなきゃ・・・」久々にそんな気になれた。

「ありがとう・・・」私は窓を開けると

心配そうな顔で私の顔を覗きこんできた。

「大丈夫?」

「うん。」

「やっと、窓開けてくれたね・・・っていうかすごいぞ、おまえ。」

窓を開けた瞬間、家の中のホコリやらがプワーっと外に吐き出され

彼はそれをみて驚いているんだ。

「ご・・・ごめん・・・1週間窓開けてないし・・・外出てないし・・・」

「マジか」

彼はそういうと窓から私の部屋に入ってきた。

きちんとベランダで靴を揃えて。

そう・・・彼は超几帳面で私とは真逆。

そんな彼がこうしてまた来てくれた。

「あの・・・・なんでいっつも来るの?うちに・・・?」

「見てられないんだよ。おまえみたいなガサツ女」

そう言うと、せっせと私の布団をベランダに干し始めた。

「ほーーー。寒い。寒い。」パジャマの私をよそに

掃除まで始めた。

「いいよ・・・。そんなにやらなくて・・・」

なんて、言うのもったいないくらいに

せっせと掃除機をかけている。

「すごいな。この人」

私は、縁側でふと空を見上げた。

抜けるような青空

「わたし・・・1週間なにしてたんだろう・・・」

まだ現実には戻ってこれそうにないか・・・

ただただ・・・青空を眺めていた。





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