はるこの遅咲☆妄想日記
「今日は可愛いね。」雅也くんったら褒めが早いわ・・・。

でも、「今日は・・・」って。「今日も・・・」じゃないのね。

でも、まぁいいか。

「ありがと。」私は助手席でそっと微笑む。

雅也くんは今日も安心な服装で落ち着く。


大体はシャツにデニムなんだけど。

たまに、ジャケットを着てくるとグッとくる。

20代の頃は、男性の服装はあまり気にしなかったけど、30代に入ってから妙に気になってきた。

隣にいる男がセンスなかったら、一緒に歩きたくないから。

その点、雅也くんは無難な恰好だから助かる。

「いいのよ・・。変なチャレンジはしなくってね。」いつもそう心の中で思ってた。

そうそう・・・年を取るにつれて、チャレンジ失敗の痛さはデカい。

「亭主改造計画」に出されちゃう・・・あの感覚。自分は味わいたくないからね。

週末のデート。カフェでのランチ。

私たちは、若者に交じって洒落たカフェでランチをしていた。

「はるこさん。いい店知ってるんだね。」

「うん・・・まぁ、いろいろ行ってみたいしね。」

雅也くんは案外、恋愛経験値が低いのかしら?

知り合ってから、デートプランはほとんど私がプランしていたしね。

そこがまた、いい。

完全に雅也くんは私の手の中で・・・。

意図も簡単に転がせる・・・なんて思ってたの。

でも・・・

そんなにうまくはいかないものね。

ピュアな男って。

ある意味怖いかも。

「あ・・・この人でいいのか・・・。」

早くも私は揺れ出した。






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