男嫌いの美少女と俺様キャラの王子様




Side涼太




まさかこんなに重い過去を

背負っていたなんて思いもしなかった。



幼い頃に襲われ

両親を目の前で殺され

兄は知らない奴らに連れて行かれ

自分を責め続けて

大きな傷を背負い一人で生きてきた



きっと今の玲花に何かあれば

簡単に崩れてしまうだろう。



けど、俺はあいつの全部を

受け止めてやりてぇ

そんで玲花に前を向いて歩んで欲しい



「大和さん、夏姫さん

山吹組は俺も知ってます。


これから先もしかしたら

玲花が危なくなるかもしれねぇ

玲花が壊れて消えちまうかもしれねぇ

俺はそんなの見てられないです。」



「涼太くん…

そう言ってもらえて嬉しいわ

けどね、もしかしたら

あなたの命も危なくなるかもしれない」



そう言って夏姫さんは悲しい顔をした



「分かってます。

けど俺はそんなに弱くないですよ

玲花にはもう悲しい思いも

さみしい思いもさせません。」



「夏姫、大丈夫だ

こいつならきっと玲花を変えてくれる」



そう言って大和さんは

今にも泣きそうな夏姫さんを抱きしめた



「そうね。」



「すまない、涼太

夏姫は心配性なところがあってな

でも俺らはお前なら

玲花を守ってくれると信じてる

頼んだぞ」




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