桜の花の木のしたで
そこにはいかにも転んだ後の見覚えのある背中があった。



「いたたっ………。ん、あれ?柏木君!」


制服に付いた砂をはらいながらこちらに男なら、いや女でもいちころになりそうな笑顔を向けてきたこの女。




「歌川…………舞香。」


じゃない。舞原………


「舞原うた。………うたでいいよ?」



「あっ………ああ。」



そうだ。


昨日俺はこいつの本当の顔を知った。




と同時に『あいつ』であると確信した。



「あっ……あの時はありがとう……。」




「………おう。」

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