シャッフル
 彼女が出ていったドアを見つめたまま立ち尽くす。

 俺……避けられた……?

 同級生と言っても、もう何年も前だし流石にいきなり番号教えてはなかったか……?

 変な奴って思われたかも。

 小さく溜め息を吐くと、再び椅子に座った。

 知りたいと思ったのは事実だ。

 ピアノの世界の事、それと同時に――彼女の事。

 このまま終わったらダメだと思った。

 でも結局逃げられてしまったけど……。

 まぁいい。また紗代里に連絡するって言ってたし……。

 そう言えば……紗代里に色々聞かないとな……。

 なんでノッポと嘘をついたのか、なぜ南大寺さんと友達と言う事を黙っていたのか――。

 もしかしたら俺がそうさせてしまったんだろうか……ちゃんと聞かないと――……。


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