シャッフル
 南大寺さんと会って2週間が過ぎた。

 紗代里に事情を聞く為、アパートへやって来た。

「紗代里……どうして嘘をついたんだ?」

 向かいに座り少し目を伏せる紗代里に訊ねる。

「ごめんなさい……。ノッポだって言えば、遠也が少しでも私を見てくれるかなって思って……」

「紗代里……」

 悲しげな顔でテーブルを見つめる紗代里。

「前に友達として遠也の事好きって言ったでしょ?……そう思いたかった……。そう自分に言い聞かせてた。でも……やっぱり無理だった。私……遠也が好き」

 そう言うと、悲しみに溢れた瞳で俺を見た。

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