シャッフル
「でも……私の気持ちは遠也には届かない……。見ててわかるの……遠也が想いを寄せてる人が誰なのか……」

「え……?」

 紗代里はフッと小さく笑う。

「ねぇ……楽譜とビーズを交換した時、茜に言った事覚えてる?」

「え?……いや……何も覚えてないけど……俺何か言った?」

「うん。交換した時に茜の指を見て、長くて綺麗だなって言ったんだって」

 紗代里の言葉に頭を傾げる。

 だからなんだ……?

「それが凄く嬉しかったって。人より背が高かった茜は手も大きかったみたいで……。結構虐められてたらしいの。気持ち悪いって……」

「――!?」
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