恋のためらい~S系同期に誘惑されて~

「僕ね、笹山が玉井ちゃんに仕事を振るって言い出した時は、正直どうかなって思ったんだよ、笹山は特例みたいなものだから」

あぁやっぱり、高松さんもそう思ってたのね。

「でも、さ。頑張ってる玉井ちゃん見てると、笹山の目が確かだったなぁ、と思ってさ」


高松さんの話しでは、自分がフォローに付くから玉井にやらせてみてくれと、高松さんだけでなく課長にまで頭を下げてお願いしてくれたんだとか。

この話しをしたことは笹山には秘密な、と笑いながら釘を刺されたけど。






―――

変わったキッカケなんてこんなもの。

笹山が作ってくれた逃げ道が思いの外楽しくなっていた。

もしもあの時、笹山が優しく慰めるような人間だったら、今の私じゃ無かったかもしれない。


なんて思う、自分がいる。




「……要は逃げてるうちに、のめり込んじゃったんだよね」


私のそんな言葉に、早紀は何故か口元を緩めた。


「笹山に虐げられるのが快感になってきちゃったのねぇ」

「早紀の言い方、やらしくない?それに私が言ってるのは仕事のことですぅっ!!」

「だって、里沙っちのこといたぶってる時の笹山って、俺様オーラ全開で楽しそうなんだもの」
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