恋のためらい~S系同期に誘惑されて~
週頭に行われるチーム内の工程会議では、先週分の物件の進捗状況や今週の予定などを打ち合わせる。
小さな物件は個人で受け持つが、手のかかるような物件は複数人数で取り掛かる。
うちのチームは高松さんや笹山の他に、後輩の男の子と派遣の女の子が1人ずつ配置されている。
会議が始まるとすぐに、高松さんは溜息を吐いた。
「東野物産から修正の連絡が入ったんだ」
割と手間のかかる作業だったけれど、皆で分担して何とか3ヶ月前に納めたはずの仕事。
修正は兎角よくある話なんだけど、年の瀬に来てとは……。
「えぇー、それいつまでっすか?」
悲鳴を上げたのは、私より3つ下の後輩、浅沼君。
「それが、今週中らしいんだよね」
「今週中って、今年は27日が仕事納めの筈じゃないっすか。もしかして、今日も帰れないとかいいませんよね?参ったなぁ」
浅沼君は、約束が、とか何やらブツブツ呟く。
「へぇ、浅沼君彼女いたんだ」
頭を抱える浅沼君には悪いけど、彼女話に興味湧いたかも。
ニヤニヤしてると、浅沼君はワンコみたいな目をして私にすがってきた。