私のファーストキスもらって下さい。




ある日の昼休み、




「吹雪、ちょっといいか?」




購買にプリンを買いに来ていた私。


振り向くと、そこには3年の先輩が立っていた。


確か、女子に人気があるっていう真木先輩だ。




「私ですか?」




名前を呼ばれておいて聞くのもなんだけど、一応確認すると、真木先輩は頷く。



「ちょっといい?話があるんだけど。」



「あ、はい。」



きっと、えみは先にご飯食べてるしね。


私は真木先輩について、屋上へ上がった。




「おー、今日天気最高だな。」


「ホントですね。」




晴れ渡った空を見上げた
真木先輩の横顔を見る。


あんまり近くで見たことのなかった噂の先輩。



ほほう。イケメンだ。


髪は染めてない自然な黒。
全体的にくるくるしてる。


天パ?



「先輩って天然ですか?髪の毛。」



私は、普通に聞いてしまった。
突然聞くことじゃないかな…



「あー、これ?天パ。別に気になんないから嫌じゃないんだけどね。」



そう言って先輩は自分の髪をくるっと弄った。


天パって言っても確かに先輩に似合ってる。


私は昔っからストレートだから、ちょっと天パとか憧れてたんだよね。




「吹雪って、天然?それ。」


「へ?」


「いや、初めて喋って普通、天パ?って聞かないだろ。」


「あ…すみません。私、気になったらすぐ口に出しちゃう性格なんです。」




えみにもよく言われる。
鈴って、正直な天然だね。って。


いまいちよくわかんないけど、誉め言葉として受け取ってる。




「やっぱり。…俺、そういう吹雪好きかも。」




先輩はきゅんとするような笑顔でそう言った。





「す、き?」




思わず、リピート。




「うん。好き。…吹雪のこと、好き。」




まっすぐ綺麗な形の目で見つめられた。




「…俺と付き合ってくれないかな。」





噂のイケメンの先輩に


告白された私。



突然で、びっくりして、まさかのポカーン顔。






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