双子ラヴァーズ☆

「レナの顔が見れたらホッとしたわ。俺帰る」

「え」


まさか、シュリはこの一瞬のためだけに待っていてくれたの?


「家にあげてって言ったらあげてくれんの?」

「う、それは」


その答えはノーだ。あげることは出来ない。
部屋に二人きりでいるなんて、何をされるかわからない。
私が本当に嫌がることはしないと思うけど。


「だろ? だから、今日は帰るよ。また明日な」

「うん。バイバイ」


そう言って手を振るとシュリも笑顔で振り返してくれた。シュリの姿を見送ってから私は家へと入る。
それから、真っ直ぐ自分の部屋へ行くと大きくはあっと溜め息を吐いた。


〝俺の事だけ、見て。俺に笑いかけて。……俺の、モノになって″


ユウリからの告白は、ストレートに私に伝わって来た。
どれだけ私を好きでいてくれたかがわかった。

告白されたって事をシュリが知ったら、どう思うのかな。
シュリまで答えを求めて来たら、私はどうするのだろう。


ごめんって言うのだろうか。
シュリに? 付き合えませんって?
そうしたらきっとシュリは悲しむ。あの顔を歪めて。
そんなの、イヤだ。

私は、シュリの悲しむ顔を見るのがイヤだ。
ユウリから告白された事だって知られたくない。

いつか知られてしまうにしても、今じゃない方がいい。

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