四月の魔女へ ~先生と恋に落ちたら~

本気の恋

「なつ、ご飯だよ。」

「ピヨ。」


ほんとだったら死んじゃってたはずの命を、私が守っていること。

それは、神様が私に与えてくれた償いの一つだと思えた。

分かってる。

それはただ、私がそう思いたいだけなんだって。

だけど命の重みはおんなじだから。

だから絶対なつを守るって決めた。


「なつ。今日はね、学校行って勉強するよ。」


なつは何も言わない。

話しかけても何も言わないなつとの会話が、楽しかった。


いちいち反応を気にしなくてもいい。

顔色を窺わなくてもいい。


「なつ、じゃあね。大人しくしてるんだよ。叔母さんに見つからないように。」


そっとベッドの下になつを隠して、家を出た。
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