二年越しのバレンタイン
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放課後になり、バッグを肩にかけて席を立つ。
部活に行こうとして教室を出ようとしたら、ドアのところで宮本と鉢合わせしてしまった。
ゲッ、最悪。
さっさとここから立ち去ろう。
フイと視線を逸らし、そのままいつものように知らん顔して歩き出したんだけど。
「あっ、市原……今からちょっと時間ある?」
「えっ」
いきなり名前を呼ばれて身体が強張り、足を止めてしまった。
宮本が話しかけてくるなんてこれっぽっちも思ってなかったから動揺して視線が泳いでしまう。
「話したいことがあるんだ」
「でも、部活があるし……」
「少しでいいから話を聞いて欲しい」
やんわりと断ろうとしたけど、宮本は何度も話したいことがあると言う。
今さら何の話があるっていうんだろう。
こっちは話すことなんてないのに。