二年越しのバレンタイン

「こんなに頼んでるんだから話ぐらい聞いてあげてもいいと思うけど。あ、ここじゃ人目もあるからどこか静かな場所に移動した方がいいんじゃない?」


私と宮本のやり取りを見ていた麻耶が背後から声をかけてきた。
しかも、余計なアドバイスまでして。

いったいどっちの味方なのよ!


「麻耶っ、」

私の抗議もスルーし言葉を続ける。


「宮本くんも話があるんなら強引に腕でも掴んで引きとめないとダメだよ。ホラッ」

「わっ、」

麻耶に背中を押され、フラリと宮本の前に進み出ることになった。


「河野、サンキュ」

そう言って宮本は私の腕を掴み歩き出した。


「えっ!?」

ちょっと、どうなってんのよ。


焦りながら振り返ると、麻耶は笑顔で手を振っていた。


「頑張れ~」なんて呑気に言いながら。


麻耶!!!
一生恨むからっ。

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