私のお人形
チャックは片方の目だけを見開いて笑っている。

そうだ、あのときガラスが刺さって…。

おそらく片目はつぶれてしまったのだろう。



「ユリ、ロックしてるわね」

セーラがフロントガラスのチャックを睨みつけていた。

「ハロー、ゆりちゃん助けに来たよ」

チャックはそう言った。

助けに来たって…?

チャックは私にとり憑こうとしてるんじゃないの?



私は思わずセーラの顔を見る。


「ユリ、だまされないで!」


セーラは激しく否定する。
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