鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
トンネル内から流れ出る水が、赤く染まっている。

倒れている三浦が出血している証だ。

三浦は防弾チョッキ2型を着用しており、小銃弾を阻止する事も出来るレベルIVのセラミックプレートを挿入している筈だが…。

「弾丸の当たり所が悪かったのかもしれない。脇腹にはセラミックプレートは入れられないからな」

小川が険しい表情になる。

とにかく早く三浦の傷の具合を確認し、応急処置を施す必要がある。

「各員発砲許可!敵が人間であろうと射殺も止む無し!責任は俺が取る!」

小川が叫ぶ。

同時に小暮が、豊田が岩陰から身を乗り出して引き金を引く!

その正確な射撃によって、銃弾を命中させる二人。

それでも致命傷にならない箇所を狙う辺り、人命最優先の小川分隊らしい。

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