鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
激しく蹴り開けられた扉。

その操舵室の奥には。

「……」

一人の男が立っていた。

アジア系の顔立ち。

まだ若い。

三浦やマットよりも少し年上くらいだろうか。

モスグリーンの軍服のような上下の服で、肥え太った体を包み込んでいる。

表情はあくまでふてぶてしい。

まるで己の置かれているこの状況が、不服であると言わんばかりに。

「アメリカ人と、日本人か」

男は言った。

「気に入らんな。俺の嫌いな二つの国が、手に手を取り合って俺を殺しに来たか」

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