鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
「できるのか」

小川が問いかける。

「情に絆されたでは許されないぞ…阻止しなければこの国そのものが、二度と人間の住めない土地に変わる…お前の決断が鈍れば、この国は滅ぶ事になるんだぞ」

「……」

「撃てるのか、かつての親友を。引けるのか、引き金を」

「……」

谷口は、真剣な眼差しで小川を見る。

「…できます。俺は戦術自衛隊小川分隊隊員、谷口 誠一等陸士です」

「…行け、谷口!必ず阻止しろ!」

小川の言葉に、振り向く事なく走り出す谷口。

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