鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
これが戦争
第一空挺団出身の谷口だ。

体力には自信があった。

樹木が密集し、木の根が張り、背の低い草が生えて足元の悪い山中をものともせず、疾走する。

目的は只一つ、親友…いや、人民軍指揮官の李を止める事。

彼の原発爆破を阻止する。

場合によっては殺害も辞さず。

脳裏によぎる友との思い出。

まだ祖国にいた時は、共に笑い合った仲だった。

苦楽を共にした仲だった。

貧しくとも、力を合わせて生きてきた。

親友だったから。

かけがえのない友だったから。

< 71 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop