歌姫桜華





「あの…最上階の女子トイレにいる彼女たち」




 私は“そこ”を指差し、和也たちに伝えた。





「…っ、」




 和也は何も言わず、恐い顔つきで走ってった。




「か、和也!?」




 私が呼んでも振り向こうともせずに、ただ走っていった。



 そのあとを追うように、紺も走ってった。




 ……どこ行ったんだろう。


 ま、まさか……彼女たちのところに行ったんじゃ…。




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