キミさえいれば
「じゃ、じゃあ離婚の原因は、俺だったって事なのか…?」


そう言って、両手で頭を抱える先輩。


その姿に、胸が苦しくて泣きそうになった。


「どうしよう、先輩。

母さんが引っ越すって言うの」


「えぇっ? ど、どこに……?」


「おばあちゃんの家に……」


「おばあちゃんの家ってどこ?」


「新幹線で3時間はかかる所よ……」


「そんな……!」


指先がブルブルと震えてしまう。


それに気づいた先輩が、私の手をぎゅっと握ってくれた。


「所詮、俺達は高校生なんだな。

自分達では、どうにも出来ない事が多過ぎる……」


「先輩……」

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