キミさえいれば
「早く大人になりたい。

家を出て、仕事して、凛と暮らしたい……」


そう言って先輩が、私の肩を抱き寄せる。


「結婚なんて形に縛られる事はないもんな。

一緒に暮らせたら、もうそれだけで……」


ホントにそうだね……。


一緒にいられるなら、他に何もいらない……。


だけどそれは、何年先のことなの……?


「先輩……。

私、先輩と離れたくないよ……」


そう言って先輩のパーカーにしがみついたら、先輩はすぐに私を強く抱きしめてくれた。


「俺だって、離れたくない……。

そんなの絶対イヤだ……」


川から冷たい風が吹き上げて来て、その寒さに余計に悲しさが増してしまう。


私達は何も答えが出ないまま、ただその場で抱きしめ合うしかなかった。
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